「あっ!」
何かを思い出したようにポケットを探る岩崎くん。
どうしたんだろう?
「はい、津田さん。16回目の誕生日おめでとう!」
岩崎くんの手の中には細長い長方形の箱があった。
・・・そっか、そういえば今日誕生日だった。
忘れてしまうほどずっと前から祝われなくなった、私の生まれた日。
「ありが、とうっ」
箱の中身はシルバーリングが通ったネックレスだった。
「実はおそろい♪絶対毎日付けること!」
そう言ってネックレスをつけてくれた。
岩崎くんの首元でキラリと輝く私の首についているものと同じ鎖。
また涙が溢れ出す。
私って幸福(シアワセ)者だと思う。
好きな人に祝ってもらえて、好きな人に好きって言ってもらえて…
大嫌いだったクリスマスと誕生日が、岩崎くんのおかげで大切な日へと変わった。
「ありがとう、幸太(コウタ)くん♪」
彼はきっとみんなに幸せを運ぶ男の子(サンタクロース)。
【Happy X’mas story END】