自分の席に着く。前に座るミヤシタは耳にイヤホンを突っ込んでいる。

それを見て机に突っ伏す。

今日は体育あったっけ。確かあった気もする。

そんな日は、眠っていても大丈夫だ。体操をする時に組むキッシーが起こしにくる。

クラギちゃん、と呼んでくれるキッシー。


「クラギ」


ガツンと机を蹴られた。

起き上がって呼んだ奴を見る。ミヤシタだった。

…え、夢?

さして嬉しくもない夢。夢じゃないけれど。

教室には誰も居なくて、もしかして放課後かとと時計を見る。まだ昼前。


「今体育」

「うそ」