「ベッド行って寝なよ」

「クラギちゃん良いお母さんになれる」

「嬉しくない」


そんな訳もない話をして、トーガは立ち上がって寝室へ行った。あたしも制服に着替えて部屋を出た。

タチバナが下宿しているのはこの前知ったけれど、トーガは一人暮らしなのは何となく察していた。

ミヤシタ寄りだからかな。

ミカミと会うのは面倒だから裏門から入った。そんな努力も無駄だった。

…居る。

教室の前の廊下に。教室に入る奴に見られてるし、目立ってるし。

そして、見つかった。