―――にわかに激しさを増した雨の音 じめじめとした居心地の悪さに私は目を覚ます 隣にいたはずのケンの姿はもうなかった いつも決まって「おはよう」と言ってくれたケン 最近はもう、そんな姿すら見れなくなった 不安は人を動かす そして時に、人を変えるほどの力にもなる 私達は決断した もっとも恐ろしく、それでいてもっとも単純で簡単な、一つの大きな決断を