「…開けていいよ」



ケンの言葉に、私はゆっくりと目を開ける



そして、その視界に捉えたのは自身の左手、薬指





指輪だった



降り続く雨のせいか、薄暗くなった部屋の中で、不自然なほど綺麗に輝く、指輪だった





「……これ…」



すぐに言葉が見つからないまま、瞼の裏が、どっと熱くなるのを感じた



「…ケン…」