「…まだ目を開けるなよ」



私の問いかけには答えず、ケンが言った



「…うん」



小さく動く、ケンの気配を感じた



言われるままに、私は目を開けることはせず、過ぎる時をじっと待った



その時だった



ひんやりと冷たいものの感触を、差しだされた私の左手、薬指に感じたのは