「理恵?」



いつの間にか、隣にはケンがいた



「なに?」



答えながら私は自然と微笑みかける



「渡しておきたいものがあるんだ」



後ろ手にしているケンが、その手に何かを隠しているのは明らかだ



なんだろう



「目、閉じて?」