宇川くんのことを考えてても、必ず友広くんのことお考えてしまう。
しかし友広くんのことを考えてる時、宇川くんは関連されない。
「俺はいいと思うよ。友広が頭から離れなくっても。
その子に対する気持ち、忘れない方がいいだろ」
無理にでも私を説得しようとしてくれる。
だけど私は彼と一緒にいる気は出ない。
「今はいいかもしれないけど、後で嫌な思いをするのは宇川くん自身だよ。
そうなることがわかってて…。
傷つくことがわかって、今を楽しみたくない」
私は宇川くんを思って出した答えを言っただけ。
納得しない私の考えに、彼は怒った。
「何でこんなに真剣なのに、応えてくれないんだよ!?
そこまで俺を拒むんだったら、俺に全部過去を話せよ!!」
突然彼が声を荒らげ、ビクッとする。
視線を上げれば、宇川君と目が合う。
私は彼の返事をしない。
再び訪れる沈黙。
もう私はそれをどうしようともしなかった。
「俺…何焦ってんだろ」