だけど机を倒したおかげで、少しだが犯人との距離を離すことができた。



これだけ大騒ぎするような出来事が起きてるのに、誰一人気づいてくれない。


それだけフィナーレは盛り上がってることなのか…


教室を出た。



「ぜってぇ許さねぇ~!!  このクソガキぃ!!」


どうすればいい?!


相手の怒りは最高潮だ。


今度こそ本当に殺されるのは時間の問題だ。



でも少しだけ距離に余裕がある。


しかも私が居る所は1階。


このまま外に行けばいいじゃないか。



私はそれに気づき、昇降口に走った。



男が嘲笑っているのも知らずに。



スリッパのまま外に出ようとする。



思いっきり昇降口のドアを開けようとした私は、見事体が跳ね返された。



勢いよく開けようとしたドアが開かなかったから。


なにかの間違えだと思い、違うドアのを開けようとする。



何度開けようとしても、開かない。



普段滅多に鍵をかけないから、鍵の存在を忘れていた。