そう高笑いする男は、尋常じゃない。


いや、それ以上にこんなことするのが普通じゃない。



男が余裕を見せている時。


左手を地面につき軸を作り、右手で男のみぞおち目掛けて思いっきり殴った。



「うぅ」


その隙に前の方のドアから逃げようとした。



しかし男は一瞬しかくたばらなかった。


だから追いつくのも時間の問題。


私は方向を変えて、教室の中心に行った。



「俺を楽しませようとしてくれてるのか?


それはありがたいけどな…そういう感じは俺嫌いなんだよ…。


痛がる声を聞かせろよ」



犯人の殺意を間近で聞いて、悪寒が走って一瞬動けなかった。



近づいて来る犯人に私は逃げる。


もう逃げ場は少ない。


そう思った。


ガンッ!!!



私は机を倒して、男が追いかけてくるスピードを遅くした。


それプラス男に机を当て、少しでも体力を落とさせる。



机を倒すのと同時に広がる、みんなの勉強道具に罪悪感が生まれる。