男が思いっきり突き飛ばしたせいで、体に走る痛みに勝てない。
ドアの鍵を閉め、私の逃げ場を封鎖する。
その上私が持っているケータイを、足で蹴飛ばされた。
伸びている私の体は、容易に動かすことができない。
「逃げても無駄だよ。
お前は俺に今日殺されるんだから。
悪あがきはしないでくれ。
時間と体力の無駄だ。
それとも別のやつも殺そうか…?」
そう言われながら私は男に馬乗りされる。
「凶器も持ってないあんたが、どうやって殺すの?」
時間が少しでも欲しいため、低レベルな質問をして稼ぐ。
「ふっ。
人間ってのは弱い生き物だから、手を加えれば簡単に死ぬんだよ。
ほらこうしてな!!」
男は私の方を持つと、頭をドアにガンっと一発打ちつけた。
「イッ!!」
「いてぇだろ!!?
いいなぁ、この本気で痛がる仕草!!
たまんねぇ〜!!!」