自分たちのクラスのドアはしまっていて、勢いよく開けるとまた急いで閉める。
鍵をかけようとしてるけど、男の力が私よりも強くてドアが閉まらない。
開けられる…!! そう思った時に慌ててドアから離れて自分の席に向かった。
机のフックに掛けているカバンを、手に持つ。
携帯を探しながら男と逃げていると、見事に突き飛ばされた。
その衝撃でカバンの中身が散乱する。
もうカバンに目を向けている場合じゃなかった。
ここで立ち上がって逃げれば、捕まるのは当たり前。
倒れた体で男を見ながら後ずさる。
「知ってるだろ?
俺がやったこと。
だからお前を口封じのために殺してやる」
そう男が言うと、私の体の上に乗ってこようとする。
その隙に私はものすごい速さで立ち上がり、ケータイを拾った。
相手が凶器を持っている可能性が低いことがわかった。
ケータイを手に、教室のドアを目指す。
だけどあまりスピードは出なかったため、あと一歩の所でまた男に突き飛ばされた。
ドアに勢いよくぶつかる体。