下の方から聞こえてきた、何かが割れる大きな音。
外を見てみると、異変なんか起きてないって感じで祭りが行われている。
心配になり教室を出て、様子を確認しようと思った。
階段を下りていると、足音が聞こえてきた。
てっきりグラウンドにいる人たちに、助けでも求めに行くかと思っていた。
だけど…違った。
全身真っ黒の格好をした、いかにも怪しい男の姿。
私が階段を下りているのに気づいたその男は、私に気がついた。
ものすごい速さでこちらに向かっている。
もう危機感しか無かった。
すぐに階段を駆け上がった。
まだ相手がどんな人かとかわからないけど、怖い。
おまけにこの微妙な暗さ…
あの時の同じ雰囲気がムンムンする。
やばいよ…
血走ったやつと私は追いかけっこ状態。
ぱっと見30代後半。
凶器を持っているのかがわからないのが、さらに恐怖を増幅させる。
階段を駆け上がったのはいいものの、どこに逃げればいいかわからない。