私が嘘をついたからだ。
「その代わりって言ったらなんだけど…じゃあ…これからの時間、一緒にいようよ」
自分から言ったこの言葉が、小っ恥ずかしい。
教室に入ると、急いで自分の席に戻った。
意外にも誰もいない教室。
窓の方を見て先生たちに目を向ける。
そして私の席の後ろ、新上さんの席に彼は座った。
「いいよ。
じゃあこれからの時間を共にしよう」
宇川くんのこの言葉に、変な感じがする。
なかなか彼の口から言わなそうだし、別の意味として捉えてしまうから。
「それより…さっき一緒にいた友達は?」
後ろ向き彼を見た。
だけどなんか、視線をそらされた。
「背中…押してくれた」
「は…? 何で?
ん? どういうこと?」
一瞬にして頭がついていかなくなった。