下駄箱に向かう途中、宇川くんがいた。
最近…彼の姿を追ってしまう。
これは…彼が私を思ってくれてる気持ちと、同じなのか?
「今担任に何言ってきたんだよ?」
そんな質問に、思わず顔を曇らせる。
「ん?
言えないことか?」
「今日のフィナーレ、教室で見るって言ってきただけ!!」
私の表情が晴れると、今度は彼の表情が曇る。
「…は? せっかくお前と見ようとしたのに。
仕方ねぇ、俺も教室で見るとするかー」
なんてつまらなそうに腕を組んでいう彼。
この人と教室で見るのもありかも知れない。
だけど…やっぱり心のどこかで迷いがある。
「えーやだ。一人で見たい」
そう言うと、何故か彼は妖しく笑った。
「今日お前、文化祭楽しめただろ?」
え…?
まさかこの前のこと言ってる?