「もう少し頑張ってみろよ!」
そんな会話をしていることなんて、私の耳には入らなかった。
「あの…先生…」
グラウンドで松明の準備をしている、担任の先生に声をかける。
ほとんどの職員が準備に当たっているみたいだ。
それくらい大掛かりなフィナーレを飾るんだと思うと、顔がひきつる。
「どうした? 立山」
「ちょっと話があるんですけど…
来てもらえませんか?」
教師がたくさんいて松明の準備をしている中、フィナーレに参加しないです
と易易と言えるわけがない。
だから先生と端の方に行く事にする。
「なんだ立山、ここで話せない話か?
珍しいな」
歩きながら感心している先生。
それに無表情な私だ。
「あの…今先生が準備している松明なんですけど…」