私の感情がピークに達して、涙が堪えきれなくなった。
「加奈ちゃん!!!?」
私に謝っていた人たちが、驚きの声を上げる。
そのせいで余所を見ていた人たちも、こちらを見てくる。
そして遠くにいた宇川くんは…こちらに近づいてきた。
「何で…そんなに自分のしたことを認められるの?
どうして素直に謝ることができるの…?」
「加奈ちゃん…?」
まだ近くにいる新山さんが不思議がる。
いや、みんながそうなんだ。
「私には…できない。
無理だよ」
そう言ってこの場から逃げた。
「加奈ちゃん!?」
状況が掴めない新山さんが私の名前を呼ぶ。
だけど私は振り返らずに、そのまま走った。
何でこんな馬鹿なことしてるんだろう。
ようやく自分の思い通りになったっていうのに。