それに私は悪い意味で有名になっている。
こんな私がステージに出れるわけない。
それなのにクラスのみんながこちらを向いて、私の登場を心待ちにしている。
…これは1種のいじめなのか。
全校の前で恥を晒させる。
そしてみんなに噂をしてもらい、完璧に私がしでかしたことがみんなに知られる。
そんなの嫌だよ。
舞台にかかっているカーテンに隠れる。
「かーな!! かーな! かーな!!!」
なかなか出ない私に、手拍子を送りながら私の名前を呼ぶクラスメート。
こんなにも一致団結して、私の登場を期待している。
彼らの本心は、私が考えていることとは違う気がしてきた。
やがて、観客席からも手拍子が送られてくる。
ここで私は逃げちゃいけない。
そう心に決めて、私はステージに向かった。
「イェーーイ!!」
私が登場するとクラスからは声援、観客からは高まる拍手が送られた。