「大丈夫からここに来たんでしょ」
「おまえ、相変わらずかわいくねぇな」
そう言って要件が済んだ宇川くんは、元の席に戻ろうとした。
しかし…。
「こられおと!! 加奈ちゃんにそんなこと言わない!!
ちゃんと謝りな!」
彼の胸ぐらをつかんだ新山さんが、こちらに近づいてくる。
思わずため息をつきたくなる。
「俺、謝る気無い」
そっぽを向く宇川くん。
そんな姿が前の自分に似ていて、見きれなかった。
「謝る気ない人に、謝られたくない」
そう言った私は、窓の方を見た。
「あんたのせいで加奈ちゃん、すねちゃったじゃん!!
なんとかしてよ」
別に宇川くんのせいじゃないけど。
謝らせようとしたのは新山さんなんだから、どちらかといえば彼女のせい。
でもこんなこと、どうでもいい。
ピンポンパーポーン