自然と新山さんは私の所から離れて、朝壬さんの所へ戻った。



私はゆっくりと着席した。


後ろの席の新上さんと、右隣の席の成川君が楽しそうに話している。



その2人の輪に入ろうとは思わない。



ふと宇川くんが目に入った。


どうやら幾度かこちらを見ていたらしい。



宇川くんは席に着いてたものの、周りに人が集まってリンチ状態。



そんな中隙間を縫って私の方を見てくれた。


いつもなら目があったら、こっちが直ぐに逸らしていた。


だけど今日は一瞬で逸らす気にはならない。



少しだけ彼を見入ってしまう。



彼は彼で私がここにいることを、喜んでいるみたいだ。



顔に出てるからわかる。


それに昨日のこともあったし。



そんなことを考えると、私は自然と彼から視線を外した。




「はい~席につけ~」



ホームルームをするために、担任が教室に入ってくる。


クラスは担任が来るまで、楽しくおしゃべりをしていた。



だが、担任の登場にみんなが静まった。