火に呑まれないため、私と友広くんは階段を目指して急いで駆けていっている。



だけどやっぱり体力の差が出てしまう。


ぼやぼやしている友広くんにたまらず言ってしまった。



『何してんの!?


早く下りるよ!!』



『でも…』



無理矢理友広くんの手を引っ張る。


『痛いよ…おねぇちゃん、痛い…』



痛がる友広君を気にせず、私は階段を目指していっている…。





不意に思い出した思い出に、はっと我に返る。


このタイミングで思い出す必要無いんだ。



こんな時期に自分を追い込むような事したらいけないんだ。




時計を見ると6時15分。



物置の部屋から出て、私は学校に行く準備を始めた。







「加奈ちゃん、おはよ~~!!」



学校につき、教室に入る。


文化祭ってこともあって、いつもより来るのが早い人が多い。