見つけた感動をろくに宇川くんに伝えもせず、陸に上がっていく。
濡れた靴下を脱ぐ。
裸足のまま運動靴を履く。
「見つかったんだな… 良かったな」
ふと優しく笑う彼の表情に、安心してしまう。
彼の表情に何も言わない自分。
「帰る…」
これ以上宇川君といると、自分が何をするかわからない。
どこまで彼を許してしまうかわからない。
自分もコントロールできない。
…だからこんなことになるんだ。
友広くんの命を奪って、ろくに償いもせず…
ただこうして平然としている。
だから白川さんみたいな人が出てきて当然なんだ。
私が起こしたことなんだ。
こうなることは当たり前なんだ。
「俺、ついてく」