「あたしは持ってない」
そう言い切る白川さんの後ろに、川が見えた。
前に三希が落とされた川とは違う所。
そして白川さんの足元は、濡れているようだった。
「まさか…!?」
そこに私が目を向けてるのがわかった白川さんは、見下すように言った。
「そうよ!!!
あそこのどこかにあるよ」
そう言われると私は、川に向かって走り出す。
勢いよく私の方を見る白川さんは、大きな声を上げる。
「あなたに探す必要なんかないわ!!
もう友くんに関わるもの、持たないで!!
友くんと関わらないで!!
友くんのことを思い出さないで」
彼女の言葉に、私は足を止める。
そして彼女の方を振り返る。
すると止めていたらしい涙が、また溢れた。
「あんたにあたしの気持ちなんてわかんない!!」
前の自分が現れたみたいだった。