彼方は慌てていた。
「いや、ていうかさ、あんたなんでここにいるの。おかしいじゃん、あいつ、ターゲットは私だけって言ったのに……!おかしい、おかしいよ……何でっ彼方まで?!」
私はずっと気になっていたことを聞いた。
すると、彼方は気まずそうに言う。
彼「あいつのターゲット、藍乃だけじゃなかったんだよ。……俺も、ターゲットだったらしくてさ……」
「……ぇ……」
回らない頭をフル回転させて出た言葉はそれだけだった。
彼「お父さんとお母さん、藍乃を返せってついカッとなっちゃって……。裕二さんが捕まえられるようにって撃たれた……」
「……え、彼方もターゲットだったって……私……騙されたの……?」
恐る恐る聞いた私に、彼方はぎこちなく頷いた。
「……他の魁桜のメンバーは……無事なの?」
彼「ごめん、それは俺にも……」
悠「無事だ。……体はな。精神的なダメージはでかいだろうな」
「……わるい!私がもっと早くに気付けていたら……!」