ユ(藍乃、予定通りだ。いるよ。公園に入る)
細い路地に入った頃、彼方から伝わってきた。
お楽しみとはこのことだ。
ルートを検索していた際に見つけたデータ。
それは旗揚げ日に黒狐というチームが吸収しにくるというもの。
で、私たちはそれを利用して実践を見せようと思いついた。
黒狐はこの辺では一番大きなチームらしい。
こういうのがいると、この国の暴走族のイメージが悪くなってしまう。
私たちの目標はヒーロー。
だからここで悪を滅ぼし、凛桜に仕切らせるのだ。
厨二病みたいで恥ずかしいが、本物の暴走族はここの人たちが憧れるようなものじゃないから。
公園に入り、バイクを停めた。
黒狐が薄汚い笑みを浮かべて並んでいる。
「みんな、この人たちは黒狐だ。内緒にしてたのはこれ。ここで消すつもりらしいから喧嘩を買ってここを治めたいと思う」
黒狐に背を向けながら凛桜に話す。
突然すぎて大抵が驚き動けそうにない。