2人になった部屋で先ほど食べ損ねた朝食を食べていると、視線を感じた。


お母様がこちらを見ている。



バ「ねぇ、ローナ。あなたもやりたい?」



机に肘をつき顎を乗せて聞いてくるその様子は可愛いとしか言いようがなかった。



「やりたくないと言えば嘘になるけど……怖いんだよね、人の命って重いよ……」


「前は何もないところで飛び込んで、そこで出来た大切な人を守ってたけど、今は既に大切な人が何人もいる。悲しませるかもしれないし、何かあった時に私に出来ることは何もない」




声が震えた。



仲間が警察のお世話になった時。

バイクで事故を起こした時。

転倒して怪我した時。

喧嘩した時。




頭を下げても、その人やその家には迷惑がかかるから。


許すや許さないだけで済む問題じゃなくなるから。




「怖い……怖すぎる……」



バ「それは、ビビってるだけ?経験から?対策はないの?私、その対策があるんなら良いと思うわよ。何事も経験っていうじゃない? さっき、したいことあるなら言ってって言ったところじゃない」