お父様は何も言わずに頷いて、次はお母様の方を向いた。
ア「バーバラは?」
涙を溜めた目で力強く顔を上げたお母様はおおきく首を振りながら言った。
バ「私はやっぱり反対よ!ローナもユアンも危険な目に合わせたくないわ!」
それを聞いたお父様は、例のごとく頷いて前を向いた。
ア「今、俺はまだ何とも言えん。領地が荒れているのは問題だが、定期的に伺うのが難しいのは事実だ。何か打開策があればいいのだが、人出はギリギリだしな。……しかし、俺も2人が傷つくのはもう二度と見たくはない。だから、俺と互いを納得できた方に決めようと思う」
お父様は席を立った。
ア「さあ、解散だ!俺は今から他にそんなところがないか見回ってくる」
そう言うや否や、彼は執事のバジルを連れて出て行った。
ユ「ローナは後で僕の部屋来て」
ユアンもそう行って出て行った。