ユアンがこちらを向いて笑っている。



「うん、そうそう!いつものお兄ちゃんが門の前で困ってたから、走ってもらいに行ったの」




唐突に話を振られて焦ったが、何とかどもらずに答えた。


それを聞いて一層笑顔になったユアンが、また正面の塔様の方を向く。




ユ「でね、考えたんだけど、そんなに荒れてるなら、その人たちまとめちゃえばいいじゃん!って」



ユ「僕たちなら、まとめること出来るでしょう?年上に変装するとして、お忍びで北西部の様子も見れるし一石二鳥!どうかな?」




ユアンは堂々とお父様の目を見ていた。



不良の世界に戻る覚悟ができているユアンがすごいと思った。




しばらくうーんと唸っていたお父様は、突然顔を上げ私の方を見た。




ア「ローナはどう思ってる?」



なんて返すべきだろうか。


賛成?反対?


何についてのどう思ってるなのか、まったく見当がつかない。




「……私は、チームについては今は迷ってる。けど、領地が荒れてきているのを見過ごすのは良くないと思う」