バ「……なんでたった16で……私なら耐えられないわ、今レオを失うだなんて」
お母様は、悲しそうにしながら私を抱き寄せ、頭を撫でた。
「でもお母様。
私、その時に死んでなかったらお母様に会えてなかったよ。
今すごく幸せ。
毎日知らないことを知っていくのが幸せで仕方がない。
だから、あのタイミングで死んだのは、今ならラッキーだったと思える」
お母様を抱きかえしながら、私は言った。
するとお母様は頭を撫でる手を下ろし、両手で私を抱きしめた。
バ「……ローナ。
お願いだから、死んでラッキーだなんて言わないで。
事件に巻き込まれて死ぬだなんて、ラッキーなんかじゃないわ。
だって、その時の仲間とは離れてしまったじゃない。
私は、あなたは犯人を恨んでもいいと思う。
私は、話を聞いたあの時から大切な二人を傷つけた犯人が憎くて仕方ない。
今が幸せって言ってくれるのは本当に嬉しい。
でも、だから死んでもいいにはならないよ。
私たちが絶対にあなたたち5人を幸せにしてみせる。
だから、してみたいことは遠慮なく言って。
いろんなことを経験してほしいから」