お母様の手が胸の方へ伸びてきた。
バ「ローナ、あなた、こんなアクセサリー持ってた?」
「……あっ……」
彼女が手にしているのはあのネックレス。
「……夢じゃ……なかったんだっ……!」
そのネックレスを触れているお母様の手ごと握りしめた。
バ「夢?……ローナ?大丈夫?どうしたの?」
「……なんでもないよっ!……私、幸せな夢見てて、それで泣いちゃったの」
お母様にネックレスを自慢しながら夢について話した。
「でね?3回目の時に雪斗がバナナの皮を投げてきて、1位から4位に陥落したの!」
バ「……バナナの皮っ!?」
お母様には分からないことだらけだっただろう。
それでも、お母様は「ローナたちの笑顔が見れるのがいちばん幸せ」と、最後まで笑顔で聞いてくれた。
バ「じゃあ、そのネックレスはとても大切なものなのね!本当は逆だけれど、形見みたい……。きっと前世で生きてても、幸せに過ごせてたと思うわ」
お母様は、泣きながら言ってくれた。