そこでハッとした。
私は言ってはいけないことを、言ってしまった。
彼「言ったじゃん!さみしいのはみんな一緒なんだよ?!普通はこうして会うことだって出来ないんだから、ちゃんとお別れ言えてよかったって思えないの?!」
顔を上げて周りを見渡すと、みんな、泣きそうに顔を歪めている。
彼「みんな、俺らを送り出すために我慢してくれてるんだよ?!それすら分からないの?!あれだけ一緒に居たんだから寂しくないわけないでしょ?!!」
彼方にそこまで言わせてしまった私は、馬鹿だと思った。
笑顔で送り出そうとしてくれているのだから、私たちは、笑顔でお別れを言うべきだ。
「……ごめんなさい。みんな、今日は会えてよかった。ありがとう。大好き。愛してる。私のことを、たまには思い出してね」
彼「突然消えたこと、すごく後悔したから、もう一度ちゃんと会えて嬉しかった。みんな今までありがとう。さようなら、お元気で」
みんなで抱き合おうとしたけど、もう透け始めている体は実体を持っていなかった。