説教をしながら、馬鹿みたいだと思った。



親のことを考えずに行動しているのは私たちで、バレて一家の信頼や存続に関わるのは私の家だ。




よく人に言えたものだと思った。



後悔するなら、もう少し自重しよう。




前世とは環境が違うんだ。





「さて……桜龍、その子を送ってあげてくれる?何があるかわからないからさ」


彼「了解」



彼方に今度はちゃんと送らせた。


きっと、帰ってくる時はタオルを濡らして来てくれるだろう。



それまでの間……



「なぁ、なんであんなことしてたの?お前らの目めっちゃ純粋じゃん」



少し無駄話でもしていようか。




男3「……別に。前に並世史で習った事件に出てきた暴走族が、かっこよかったから」




並世史とはこの国の学問だ。


日本よりよっぽど賢いこの国は、世界が重複していることを知っていて、授業で習うらしい。


学校によっては、好きな世界を選択してその世界の世界史を学ぶのだ。



「今時暴走族なんているんだ」


自分がそうだったことなんて隠して、サラリと言う。



「どこの世界?」