「私らはこの子を助けてもらうために来たんだよ」
私は笑顔を放ちながら言った。
男1「あぁ?なんでお前らに言われて放さなきゃなんねーんだよ!」
猿はキャンキャンと喚く。
「その子、連れなんだわ。ほんとこれ以上やめてくんない?警察呼ぶよ?」
男1「そんなんで、離す訳ねぇだろーが!」
男2「そうだそうだ!大体、夜中の2時にこんなとこ歩いてるとか襲ってくださいって言ってるようなもんじゃねーか!」
呆れた。
格好を見る限り、遊び歩いていた女の子には見えない。
何か夜中に出歩く事情があったのだろう。
「そっか……。……少しチャンスを与えたつもりだったんだが私の想像以上の馬鹿だったよ」
彼「口で言っても理解できないのかな?」
ため息をつきながら2人で話した。
3人に聞こえるような声で挑発しながら。
「理解できないのか、可哀想に……桜龍、この子お願い」
彼「えっ!俺にやらせてくれないの?!」
「次だ次」
彼「女の子守んなきゃだもんね。わかった」
彼方に女の子を預けた。
桜龍とは、彼方の事を指す。
彼方の闘い方が、桜の様に軽くて龍の様に力強く優雅だったからだそうだ。
知らない間に周りから呼ばれていただけだから実際のところはわからない。
ちなみに私は桜蝶。
桜の様に軽くてアゲハ蝶の様に美しく滑らかだったから。
「2人とも桜がつくねぇ」と盛り上がって以来、双桜と名乗っている。
それにしても、どこの人も馬鹿なんだな……
どこにもクズはいるんだ。