──ドンッ
女「や、やめてください!!」
この声を聞いたのは、街に着いてすぐのことだった。
「へぇ、やっぱ荒れてるね。ここ。うちの領地だなんて恥ずかしい話だよ」
彼「想像以上だった。やりがいがあるよ」
全く……何のための魔法と剣なんだよ。
護身ぐらいには使って欲しいね。
そうは思ってしまうが、やはり人間は驚いたり怖がったりするとそこまで頭は回らないものだ。
帽子を被り直す。
「おい、行くぞ」
彼「了解っ!」
男は3人。
魔力はそこまで高くはない。
女は男に囲まれていた。
ザッ……
「ねぇ、そこのお兄さんたちー。こんな夜中に何やってんのー?お姉さん嫌がってるよー?」
男にできるだけ低い声で声をかけた。
彼「お兄さん達、知らないのー?人が嫌がることってしちゃいけないんだよー」
彼方は、そこまで言ってニヤリと笑った。
楽しそうだ。
性格が悪すぎる。
まあまあ賢い奴は、ここで殺気と魔力の量見るから格上だと気づくはずなんだが。
男1「お前ら、舐めてんの?」
おさるさんには難しかったようだ。
男2「それとも、お前らもヤる?」
「いやいや、なんでだよ」
あぁ、トコトン馬鹿だな、こいつら。
ここまでだと、可哀想になってきた。