「それにしても、本当に懐かしい格好だなぁ」



5年も前なんだ。


なぜかそわそわしてしまう。



あの頃から精神的に大人になったかと言うと、正直分からない。



普通に5年経っていたとしたら、藍乃の実年齢は21歳だ。




「あの頃は私たち、双桜とか言ってたっけ」



彼「あぁ、中二病爆発させてた時に名乗って後に引けなくなったやつね」



高一になってものすごく恥ずかしくなり、しかもそれを幹部に笑われるという黒歴史だ。




「ねぇ彼方。あの台詞、覚えてる?」


彼「もちろん。……やるの?」




彼方が顔をしかめて聞いてきたが、分かっているはずだ。



「ふっふっふ……当たり前でしょ?」





「精神年齢21歳になった(はずの)今!恥を捨て!周りの目など気にせず!!ここに双桜を再結成しようじゃないか!!!!」



やけくそだった。


でも、黒歴史を掘り返すのも悪くないと思った。




彼「まじか……まぁ格好それだし、いいよ」




このやけくそと勢いだけで掘り返された黒歴史は、この土地に新たな伝説を作り、速攻でアーヴィンにバレたのだが、それはまた今度。