「……。ラ・シラル・近藤藍乃」



その瞬間、個室の中から光が溢れた。



辺りに広がった強い光が収まる頃、個室に立つ少女は5歳から16歳になっていた。


日本人らしい顔つきだ。


格好は全身黒だった。


帽子を深く被り、髪の毛は一つにまとめてある。



「うしっ!完璧!」



軽く屈伸をすると懐かしい感覚と体が馴染んだ。



トイレから出ると、「彼方」は既に待っていた。



「あ、彼方!ごめん!遅くなって!!」



私は手を合わせて軽く謝る。



ユ「藍乃!……なんか懐かしいね」



「そうだね」



自分の体をもう一度見る。


この体を使っていたのは5年も前のことなのか。





「あっ、行こっか」



また待たせることになってしまうところだった。



ユ「そうだね」




歩きながらまた話す。


前は側から見ると姉弟。



今は、ヤンキーカップル。



目線も変わって変な感じがした。