バ「家や地位なんかより、あなたたちの方が大事なの!お願い、もうやめてっ!!」



お母様の声に、泣きそうになった。

こんなにも想ってくれているということが、嬉しかった。



こんな姿を見せられても、見放さないでいてくれた。







……でも




「お母様、私は、やめないよ。お兄様たちを取り戻してみせる。私にとっても、お兄様たちが大切だから」


ユ「俺も、やめない。お母様、大丈夫だよ。ボールドウィン家の末っ子たちは強いんだから」



「お母様、ここからはお母様の領域外だよ。みなさん、ここから離れてください!!」


拳を握りしめ、1つずつ、丁寧に。

素早く攻撃をしながら叫ぶ。



ユ「お願いだから、離れて!!危ないんだよっ!!」



ユアンが、先ほど倒した男のポケットを探りながら叫ぶ。


私が、ユアンが目立たないように、ターゲットにならないように攻撃し続けたのに……


男「……ん?やっべ、ばれちまってたか?」



男は、胸元から銃を取り出した。



やばい。






「ユアン、避けろっ!!」