……せっかくの愛のある暖かいこの家庭
。
悠馬と神に。
あの私たちを撃ち殺した男に。
仲間だったみんなに。
前世の人、天界の人みんなに貰ったチャンスだったのに……
自らの手で平凡に暮らす道を壊し、また、自らの手で前世と同じ生活を営む運命を築くことが辛くてならない。
「……でも……」
今はそれどころではない。
たとえ自分たちが嫌われようが、私がみんなを愛する気持ちは変わらない。
ずっと良くしてくれたこの家族には、本当に感謝している。
だから、こんなやつにこんなところで壊させない。
「私たちが!この家を、家族を守るんだっ!!!!テメェらなんかに壊されてたまるかよっ!!」
──そう叫んだ時だった。
バ「ローナ!ユアン!何やってるのよ、戻ってきなさい!!」
そこに響いたのは、お母様の声。
今にも泣き出してしまいそうな、震え、掠れた声。
それでも凛としていて、迷いは感じられなかった。