「ねぇ、早く始めない?私、このことあまり大ごとにしたくないんだよね」




お父様たちにバレてしまえば、いままでの魔法や録音が台無しになってしまう。


そして何より、ばれないようにするためには、早く終わらせてここから去る必要があった。



男A「あ、あぁ。まぁ俺らがこんなガキにやられるはずもねえし、大口叩くだけ叩いとけばいい」


「さあ、それはどっちだか。……じゃあ、game start.」




お互いに顔を見て相手の出方を探る。


先に動いたのは男たちのほうだった。



一人の男が真正面から殴りにかかってきた。



しかし、それはフェイク。


残りの2人は後ろに回っていた。



それに気づいた私たちは、先ほどのように横によける。




──ドン!!



男たちは、三人で頭をぶつけていた。



ユ「ざまあねえな」



喧嘩が始まったと同時に、裏ユアンもとい彼方も降臨済みだ。



ユ「藍乃、いくよ」



喧嘩の時ほど頼もしい彼はいない。