｢ゆう…こっち向いて…｣


ハルキが無理やり前を向かせるから。
泣き顔を見られてしまった。



｢……ぐすっ｣
｢泣かないでよ、俺、嬉しいよ？｣
｢私も、嬉しいよ、すごく。｣


ハルキの親指が私の涙を拭った。
すごく優しくて、くすぐったい…。


｢ゆう…｣
｢…ん？｣



視界が塞がれた。
って思ったら、ハルキに。
キスされていた。


｢好きだよ…ゆう。｣


ハルキが顔を赤くして言うから。
その顔が可愛くて…。

思わず私からキスしてしまった。


｢私も好きだよ、ハルキ。｣



2人で笑いあった。
この恋、この電車みたいに、ゆっくり進んでいけたらいいな。