「俺、八木春樹。高2」

八木…春樹…
やっぱ、同級生だったんだ…
合ってるって思った。
爽やかな感じが、ああ、いいなあって。


「私、市川ゆう。高2」
「よかった。やっぱ同い年だったんだ」


あ、また八重歯。


「覚えてる?定期の」
「うん、もちろん!」
「よかった…」




「俺ね…」


ハルキがこっちを向く。


「俺、ずっと前からゆうのことが好きだったんだよ」
「……え?」


…え?え?


「定期拾った時、チャンスだって思った。ずっと見てるだけだったから」


嬉しくて、嬉しくて。
涙がでるよ。


「私もね、見てたの。定期拾ってくれた時、『ああ、かっこいいなあ。優しいなあ』って思って、そっから無意識にハルキのこと追ってた。」
「よかった。今日、目が合ったら言おうと思ってたんだ。」


涙が止まらないよ。
思わず俯いてしまう。
やっぱり泣き顔は見られたくない。

女優さんみたいに
綺麗に泣けないから。