「えっと…その…」
咲樹はなかなか言葉が出ない。
「うざいって言ってんの。わかる?」
私の中で怒りがふつふつとこみあげてきた。
バンッ
私は机を思いっきり叩いて立ち上がった。
咲樹は今にも泣き出しそうな目で私を見た。
「一ノ瀬君さぁ、何様なの?」
「は?」
私の怒りは止まらなかった。
「一ノ瀬君のことを想って喋りかけてくれるみんなをうざいうざいって!そりゃずっとまとわりつかれたらうざいかもしれない。でもさ、少しは気持ち考えてあげなよ!なんで思ったことすぐ言っちゃうかなぁ!一ノ瀬君のその一言でどれだけみんなが傷ついてるかわかってるの?それでもめげずに話しかけてくるのはそれだけみんなが一ノ瀬君を好きだからだよ!人の気持ち考えたことないの?高校生にもなってそんなのもわかんないなんて、小学生からやりなおしたら!?」
はぁ…はぁ…
クラスのみんなは唖然としている。これだけ言ったあとで後悔した。
言い過ぎた…
「…ハハッ」
一ノ瀬君は微かに笑った。
「…ゴメン…言いすぎ…」
「その通りかもしれないな」
そう一言言うと、一ノ瀬君は教室を出ていってしまった。