「はぁ…」
今日も女子達はいつまでも騒いでいる。なぜ騒いでいるかというと。
「一ノ瀬君ホントかっこいいよねー!」
一ノ瀬 凛。高校に入ってから知ったんだけど、中学の時からモテすぎて、家までついてくる女子もいたらしい。いわゆるストーカー。
そして、私と一緒の中学だったというからびっくりだ。
そう、こんなにモッテモテでかっこよくて、目立つ人と同じ中学だったくせに、存在すら知らなかった私、七瀬琴葉は、全く「恋」というものに興味がなかった。
彼氏もほしいと思ったことは一度もない。必要ないと思ったから。
いたって別にイチャイチャしたいとかでもないし。
とにかく、女子が好みそうな話には全く興味がなかった。
いや、興味がなかったというより、面倒だったのかもしれない。