後ろからいきなり声がした。
驚いてバッ、っと振り向く。


「…!?」


変なやつがいた。
強盗かと思ったけど、私の姿を見ても全然慌ててないし…
というか、強盗だったら私が危ないのになんで落ち着いてるんだろ…?

いろいろ考えながら、相手の様子を伺った。


「まぁまぁ~そんな怖い顔しないで♪」


…喋り方にイライラする。
そして、どこか間延びした声。
チャラい奴は苦手だ。

私は警戒心むき出しで、睨み付けるようにして相手を見た。

よくよく見ると格好がおかしかった。
男なのはわかる。それで、真っ黒い服?で頭に角があって、ちょっとしか見えないけど背中からは少しボロボロの羽が…って!


「悪魔…?」
「うん♪そうだよ~♪」


見た目から思わず口をついて出た言葉。
それに返された。
先程とおんなじような間延びした声で。

ホントに悪魔なの…?