それでも帰ってくれない黒山くんに呆れながら私はカウンター席に座る。 なんなの、あれ。 正直、邪魔でしょうがない。 「…――あの、吉田さん…」 あ。 「先生」 私の担任。 黒山くんにキスされてた先生。 「資料で欲しい本があるんだけど、新訳シリーズってどこだったかしら?古典のなんだけれど」