「ペラペラしゃべりやがって、ウチの事情を」



霧澤さんは席を立ち、奥の従業員用の部屋へと向かった。


あっ・・・行っちゃった。
機嫌損ねたのかなぁ?



しょんぼりした私に、綾辺さんは

「いつもの事ですよ」

と、フォローしてくれた。



すると、今度はマスターが、


「結希ちゃん、チャンスじゃない?」

と、耳打ちし、霧澤さんが入って行った扉の方をみる。