霧澤さんは、私に一瞥し、軽く頷いた。



そして私の反対隣の綾辺さんが、スケジュール帳を開く。


「もうわが社のイメージは、結希さんしかいませんから♪」


と、にっこりと微笑む。


私は嬉しさが込み上げ、薄く目に涙を浮かべる。

私、頑張っててホントによかった。


こうやって、霧澤さん達の役に立てるんだもの。


「まずドレスのデザインを決めて、出来上がり次第、撮影に入りますね。その辺りの段取りは、我々で決めていいと、斎王社長から言付けを預かっていますので」


「はいっ!大体のイメージはあるので、上手く描いてきます」



絵にあまり自信はないが、頭に思い描くのは、世界に一つの素敵なドレス。