「・・・なんだ?この距離は?」


霧澤さんに背を向けて、湯船に浸かっている私。そして、この微妙な距離。


だって見られるの恥ずかしいし、見るのも恥ずかしいんだもん。

なにか、話しよっ・・・。


「この旅館、素敵ですね。お料理も美味しいし、温泉も貸し切りだし・・・」


ホントに素敵と思ってるんだけど、普通の事しかでてこない。



すると後ろからぐいっと、身体を引き寄せられる。

気がつくと、霧澤さんの胸元に私の背中がぴったりと収まっていた。



「っ霧澤さ・・・」


慌てた私は離れようとしたが、霧澤さんの腕にがっちりと捕らえられ、身動きがとれない。