霧澤さんは、そのままさっさと温泉に向かう。


『先に行くぞ』的な言い方だったよね?

私も行くしかないんだよね?


・・・キンチョーするけど、社長もスケジュール合わせてくれたんだし。


何よりこんな高級旅館で二人きりなんて贅沢、なかなかできないよ。



私は意を決して、脱衣場に向かった。



カラッ・・・

タオルを巻いて、温泉に向かう。


既に霧澤さんは、向こうをむいて湯船に浸かっていた。


こんなだったら、私が先に入って待ちたかったよっ。


私は霧澤さんにそーっと近付き、少し距離を置いて湯船に浸かった。