「こんばんは、香坂結希さん」

声をかけられた相手は、神崎有紗だった。


「こっ、こんばんは・・・」

すくみあがる気持ちを抑え、声を振り絞る。

また何かゆわれるのかな・・・


でも、もう何があっても霧澤さんから離れないって決めたんだから。


神崎有紗の見定める様な視線に、耐える。

そして、


「アナタ、意外にしぶといわね」

と、一言。


「その様子だと、別れてなさそうだし。あぁ言えば、身を引くと思ったんだけど」


ホントは予想通りに身を引いたんだけど・・・


霧澤さんのおかげだよ。